3月6日日曜日、埼玉県川越市の川越水上公園にて「VARIVASカップ争奪第5回バーブレスサバイバルトーナメントフライ選手権」が開催されました。 天気は心配された雨こそ降らなかったものの時々薄日が差しても肌寒く感じられました。朝6時30分までに過去最高の25名の選手が集まりA組13名とB組12名の予選釣り座の抽選が完了しました。そうです受付の時からすでに勝負は始まっているのです。そして今回の参加者の中にはなんと歴代優勝者4名がすべているのです。第1回大会優勝の福井さん、第2回大会優勝の大澤さん第3回大会優勝の新井さんそして昨年圧倒的ともいえる技術とスピードで優勝、準優勝に輝いた吉田文也さん吉田稔さん親子がエントリー。さながらチャンピオン大会のような盛り上がりで火花ちる接戦が期待されました。ところが、大会前のこの数日間になって「いつもパターンが効かない」とか「アタリが極端に少ない」と言った声が釣り場の常連さんから聞こえるようになりました。想像をはるかに超えた原因不明な低活性な状態での開催となりました。
さて、7時から予選A組が始まるとその実態が明らかになって来ました。これだけの常連凄腕のフライマンが集まりながら20分間で規定の3尾を釣り上げたのはわずかに二人でした。A組トップ通過は昨年優勝の吉田文也さんと第1回優勝の福井さんです。B組は若干活性が上がったもののスローペースな展開。トップ通過の大貫さん、宮内さん、吉田稔さんと入賞常連組の力は魚の状態やクジ運に左右されない実力をみせつけるものでした。各組から上位6名が準決勝へと進出しました。 敗者復活戦は10分間。予選突破が叶わなかった13名によって4名の復活を掛けて行われます。敗者復活戦の釣り座抽選が8時10分から行われます。なんとその中には今年も優勝候補の一人として名前を連ねる瀬田
さんがいました。彼の引いたピンポン玉は№13。この時私は何かとても特別なことが起こるような予感がしたことを覚えています。やはりアタリがあっても食いは浅く分かってはいてもショートバイトのバレが多くなります。敗者復活で魚を釣り上げた人はわずかに5名。1尾を釣り上げた瀬田さんはライントラブルに苦しみながらもタイム差でぎりぎり4人目で敗者復活となりました。 準決勝は予選通過者12名と敗者復活4名の計16名を8名ずつAとB2組みになるべく同じ組み合わせにならないように分けます。釣り座は予選の順位で好きな釣り座を選ぶ方式です。準決勝は各組上位3名ずつ6名が決勝進出となる狭き門です。また準決勝の成績(尾数とタイム)はそのまま16位までの総合
順位の決定に反映しています。 さて、一度は射した日差しが陰ったなかで始まった準決勝A組。難しい状況で唯一人3尾を釣り上げ勝ち抜けたのは吉田文也さん。2尾で新井芳幸さん。1尾タイム差で坂本さんまでが決勝進出となりました。準決勝B組では本来の調子が戻った瀬田さんが3尾でトップ、わずか22秒差の3尾で昨年と一昨年準優勝の吉田稔さん。2尾タイム差で新井昌幸さんまでが決勝進出ファイナリストとなりました。 決勝は6名のため釣り座が2コマ分に広がります。恒例の成績順の釣り座決めをしてから20分後の10時15分から決戦開始!誰が勝ってもおかしくない決勝戦。まず開始30秒で最初の1尾を釣り上げたのは一番左1番の釣り座を選んだ坂本さん。その10秒後に吉田文也さんも1尾釣り上げます。吉田稔さんが続きます。開始3分45秒で吉田文也さんが2尾目をランディングし早くも優勝に大手。この時点でまだ新井さん、瀬田さんは釣果がありません。この勝負の行方を見守るだれもがこの時点で瀬田さんが優勝するとは思っていなかったことでしょう。瀬田さんが1尾目を釣り上げたのは開始5分後のことです。そして開始6分半に瀬田さんも2尾目を釣り上げ吉田文也さんと並びました。追い上げる側と逃げ切る側のデットヒート。この神経戦は競技をした人にしか分からないかもしれません。
決勝開始後7分45秒(午前10時22分45秒)3尾目を見事にランディングした瀬田光晴さんが大逆転で新チャンピオンに決定した瞬間です。ライントラブルに見舞われた吉田文也さんはそれでも時間内に3尾を釣って準優勝。ディフェンディングチャンピオンの実力を見せつけました。この吉田親子と瀬田さんの接戦に割って入ったのが2尾を釣り上げた坂本さんでした。同じく2尾の吉田稔さんをタイムで上回り堂々の3位入賞となりました。坂本靖夫さんは上州屋新狭山店プレイベントとして行われたエリア向けの「バーブレス・フライタイイング教室」からのエントリーで正に今大会のダークホースと言える大活躍でした。入賞した皆さん本当におめでとうございました。 決勝戦リザルト (タイムおよび釣り上げ尾数) 敬称略
| 順位 | 氏名 | タイム | 尾数 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 瀬田 光晴 | 7分45秒 | 3 |
| 2位 | 吉田文也 | 13分43秒 | 3 |
| 3位 | 坂本靖夫 | 14分10秒 | 2 |
| 4位 | 吉田 稔 | 18分06秒 | 2 |
| 6位 | 新井昌幸 | ― | 0 |
| 6位 | 新井芳幸 | ― | 0 |
リザルト(入賞者総合順位)敬称略
| 優勝 | 瀬田光晴 | 所沢市 |
| 準優勝 | 吉田文也 | 入間市 |
| 第3位 | 坂本靖夫 | 新座市 |
| 第4位 | 吉田 稔 | 入間市 |
| 第5位 | 新井昌幸 | 熊谷市 |
| 第6位 | 新井芳幸 | 熊谷市 |
| 第7位 | 大貫哲男 | 坂戸市 |
| 第8位 | 田中篤 | 横浜市 |
| 第9位 | 渡辺哲也 | 三芳町 |
| 第10位 | 福井章博 | 川越市 |
※アルビノ賞 大物賞は該当者なし なお5位から10位の成績は準決勝の成績で確定しています 勝負にはクジ運の影響も少なからずあると思います。しかし少ないチャンスをミスなく確実に得点できるメンタルとテクニックを持ち合わせた人が真のサバイバル大会の勝者ではないかと思います。皆さん既にご存じのように新チャンピオンの瀬田光晴さんは毎年この大会に車椅子で参加し続けついに優勝しました。もちろん競技する上でも不利なことはたくさんあると思います。特にランディングの時など難しいことは容易に想像できます。大会前に車椅子の選手に配慮すべきとのご意見も頂きました。選手の皆さんの思いやりの気持ちが私はとても嬉しかった。でも私はあえて瀬田さんに対して特別なルールなんていらないと確信していました。みなと全く同じルールで勝ってこそ意味があると思ったからです。今回の敗者復活戦からの大逆転劇は瀬田さんに相応しい勝利だと私は思います。 大会ルールに関してご指摘いただきました予備ロッドの扱い、また小学校高学年からの大会参加については真剣に検討させていただきます。今後もこの大会が続けられますように皆様のご支援、ご意見をお待ちしております。 真剣にこのフライ大会に向き合っていただいた選手の皆様スタッフの皆様本当にありがとうございました。共催いただきました川越水上公園の皆様。メインスポンサーとして後援し一緒に運営協力までしていただきました㈱モーリスの皆様に重ねて御礼申し上げます。そして瀬田さん、本当におめでとう! (大会実行委員長・吉田俊彦)
ついに表彰台の中央に座った所沢市の瀬田光晴さん。ついにやりましたね!ハンディキャップをものともしないその真摯な戦いぶりは見ている側も気持ちのよい初優勝でした。 準優勝はルアー大会でも活躍して表彰台常連の入間市の吉田文也さん。2年連続の表彰台はさすがです。 3位は新座市の坂本靖夫さん。バーブレスタイイングスクールからご参加いただき大健闘でした。
優勝者の瀬田さんへは副賞としてVARIVASの新作フライロッド・ライトトレイルが贈られました。プレゼンターはモーリスグラファイトワークスの安達さん。ご自分で大切に仕上げたロッドは特別な思い入れのある一品。実は安達さんは全国にファンのいるほどのロッドビルダーです。言わば埼玉の誇る名工ですね。
(了)