富士五湖の西湖でクニマス(地方名キノシリマス)の子孫が発見されました。キノシリマスは田沢湖の固有種でしたが戦後は度重なる調査でも発見されなかっため絶滅種として扱われていました。しかし七十年ほど前に田沢湖から西湖と本栖湖に移植され、その卵から孵り世代交代を繰り返している群れが西湖にはいたことに感動します。明治時代以降、日本オオカミや日本カワウソなど比較的近年に絶滅したという動物であっても再発見される例はまずありません。その点で信じられないような今世紀最大の奇跡です。だからさかなクンの興奮ぶりも十分納得できます。
一般には魚類の卵移植や稚魚放流などの行為は生物多様性の観点からすると生態系を乱す人的行為とみなされます。しかし今回の例は漁業による移植放流が絶滅したと思われていた日本固有の魚種を救った例として語り継がれることになるでしょう。
ところで田沢湖のクニマスについては以前に漫画家の矢口高雄先生が平成版釣りキチ三平のなかで「地底湖のキノシリマス」という題でクニマスを取り上げています。矢口先生はこの世紀の大発見を予見されていたのかもしれませんね。きっと酒川郁子先生も狂喜乱舞しているのでは?(事務局・吉田俊彦)